天才脳外科医は新妻に激しい独占欲を放ちたい
 彼は口の前に指を立てる。
 教えてもらえない私は、景色を眺めていた。

 しばらくして車を降りると、真っ白な建物が目に飛び込んでくる。


「なに、ここ?」
「ん? 教会。行くぞ」


 教会? 観光地なのかしら。

 近づいていくと、西洋のお城のようなかわいらしい教会が建っている。


「すごい。海の中に浮かんでいるみたい」
「だな。想像以上だった」


 陽貴さんも頬を緩める。


「ちょっと急ごう」
「急ぐって?」


 彼に手を引かれて建物に入ると、スタッフに笑顔で迎えられた。
 もしかして、挙式の下見でもするの?


「倉田です」
「倉田さま、お待ちしておりました。まずはドレスを選んでいただきたいのでこちらに」


 ドレスを選ぶって?

 わからないことだらけだが、衣裳部屋に通されてたくさんのドレスを目の当りにしたらテンションが最高潮に達した。



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