恋友~幼馴染みの君はいつも私に付いてくる~
「ごめん、消灯の時間だよな…」

「うん…けど賢心がいないから寝れないかもって…ちょっと不安だったんだ」

「じゃあ、雪乃が寝るまでそばにいるから」

ベッドに横になる私に肩まで布団を掛けてくれる賢心にそろ~り手を伸ばすと、にこっと笑って
握ってくれた。

「今日は疲れたでしょう?
私の事探したり運んだり、怒ったり……」

「ふふ、まぁな。けど旨いカレーライス食べたら復活した。そうしたら、会いたくなった…」

「正直でよろしい。でも、また作れるかな…」

「作ってもらわないと困る!
だから、俺の言うことちゃんと聞けよ」

「うん…」

「雪乃……両親に連絡しなくて本当にいいのか?」

「心配かけたら、お父さんの心臓にも良くないだろうし…2人の辛そうな顔見ると私も辛いから…」

「そうやって今まで無理してきたんだろ…」

「……私は、平気だょ…」


そばで手を握っていてくれて安心した私は
すぐに眠りについた。

それでも賢心は手を離さない。
後悔したくないから。
会いたいと思った時に会いに来て、
雪乃を抱きしめる事が出来て本当に良かったと…
しばらく寝顔を見ながら幸せを噛みしめていた。


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