恋友~幼馴染みの君はいつも私に付いてくる~
幼馴染みの為に
「雪乃ちゃん、少しは症状治まってきたかな?」

「ぁ…松本先生………お久しぶりです…」

中学の頃、無理をする私にたんまりお説教をしてきた怖い先生は年を取り、なんだか柔らかい雰囲気に変わっていた。

「はい……すみませんでした」

「賢心君が、医者になったとは驚いたよ。
さっき廊下で会って話したけど、2人とも大きくなったんだね」

「先生、賢心の事知ってるんですか?」

「あぁ、中学の頃かな…雪乃ちゃんの事心配して
よく病院に来ては色々聞いてきたんだよ。
でも家族以外にはなかなか話せないからね……
いつも肩を落として帰ってたな」

「そうだったんですか………」


あの頃からずっと賢心を不安にさせていたんだ。
私はまた、あの頃の想いが蘇る。


賢心から、離れないと………


お父さんが亡くなって感じたこの辛さを、
賢心にはさせたくない。


「松本先生……私のお願い、聞いてくれますか?」


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