恋友~幼馴染みの君はいつも私に付いてくる~
泣いている私の左手を握りしめる賢心の右手が、
こんなに大きくて力強かった事を初めて知った。


「…手繋いで運転したら、危ないょ」

「ちょっとだけだから…」

「……ちょっと…だけ」

「ご不満ですか?」

「別に!」


強がる私が手を離そうとしたけれど、
しっかり握られた手はなかなか離れず、
ぶんぶん腕を振ってみる。


「離してよ!」

「やだ」

「危ないでしょ!」

「危ないから黙ってろ!」

「……」

「もう、絶対離さないからな」


そうやっていつも私をなだめて大人しくさせて…

ずっとそうだったよね…

賢心が私の言う事聞いて付いてきてると思ってたけど、実は私が賢心の言う通りにしてきたのかもしれない。

くっついてたのは、私なんだ。




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