【完】セカンドマリッジライフ
「あーはっはっ。ひぃーッ。ひゃひゃひゃ。バカップルって。 私達バカップルじゃないですよぉ?夫婦なんですもん。」
「そ、そりゃあそうだが……。こういうのは周りにひけらかす事じゃなくってだな…」
まだブツブツと文句を言っていたが利久さんの手をぎゅっと強く握り、それを太陽に向かって高く掲げた。
私達の少し前を歩く武蔵はご機嫌なようでこちらを見上げ「ワンッ!」と嬉しそうに吠えた。
五月の終わり。私達の関係に変化が見えた。 はっきりと自覚していた。私利久さんの事が好きだって。
利久さんは元々口数の多いタイプではなかったけれど、私を「一緒に居ると明るい気持ちになる」と言ってくれて、「好きだ」と照れくさそうに目を逸らして言われた時は天にも舞い上がるように幸せな気持ちになった。
寝室が一つになった。互いの想いが通じ合って、順番は逆だったけれど、私達は初めて夫婦になれた気がした。
「利久さん世界一大好きーッ!」
太陽に向かって大きな声で叫んだら、利久さんは顔を真っ赤にして後ろから私の口を塞ぐ。
「やん!」
「雪乃、止めろ。時と場所を考えろ」
「きゃははッ。」