【完】セカンドマリッジライフ

「うん、美味しい! 雪乃本当に料理が上達したなあ」

「あーはっはっはっ。カレーなんて料理のうちに入らないって言ったの利久さんでしょう?!
最初は包丁握るのさえ怖かったもんね~。ひひッ。でも料理って覚えると楽しいねぇ!このままだったら料理人になっちゃうかも?!
自分の才能が怖い~~~」

「調子に乗るなよ。 君は調子に乗って難しい料理をしようとすると指を切ったり火事を起こしそうだ」

「あ~、利久さんったら酷いのぉ~!」

目の前で無邪気に笑う雪乃は雪乃だ。 それでもどうしても彼女を違った目で見てしまう自分が居る。 それには勿論理由がある。

彼女が悪いわけではなかったんだ。


―――――

「みゃー……」

「シー。 シーな?イチ。」

雪乃が寝静まった深夜。ベッドから抜け出しこっそりとリビングへとやって来る。

イチがごろごろと足元にすり寄って来て、床にごろりとお腹を見せながら寝そべる。 出来るだけ音を立てないようにリビングにある引き出しの奥を漁る。

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