【完】セカンドマリッジライフ

「よう、利久。久しぶりだな」 俺に再婚を進め、雪乃に北海道移住を提案したのはこの人だ。 最初は滅茶苦茶な事を言ったものだと呆れたが、今になっては感謝している。

結婚は人生の彩りを良くするもので、一度の失敗くらいでめげるな、と言ったこのじーさんは70歳の時四回目の再婚をした。 親戚中からは呆れ返られている。

そんな想定外の事ばかりするじーさんの行動には慣れっ子だったが、隣に祖父に負けず劣らず派手な格好をしている女がいたのは想定外の出来事だ。

「あらー、利久ったら冷たいの。 元妻に対してさー。定一さんから利久が久しぶりに東京に来てるって聞いてわざわざ来たっていうのに。」

「のえるとは今でも友達で連絡をたまに取ってるんだよ。 利久が来るっつったら会いたいってうるさくてなあ」

「俺は会いたくないんだが…?! マジで勘弁してくれよ」

「えー、そんなの酷くないー?元妻に対して勘弁してくれはないじゃんかね。ねぇ?定一さん」

「そうだなあ、相変わらず酷い孫だ」

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