【完】セカンドマリッジライフ

はぁーっと大きなため息が思わず漏れる。  数年ぶりに姿を現したのえるは、昔と全然変わっていなかった。

30歳を迎えるというのに髪をピンク色に染めて、派手ないで立ち。   底抜けに明るくって、芸能界の仕事が好きだった。

若かった頃はそんなのえるの底抜けに明るい性格に惹かれた。 少し我儘な所でさえも可愛いと思った。 けれど彼女にとって俺との結婚生活は真面目で刺激もなくてつまらない物だったらしい。

あっという間に俺と武蔵を捨てて、家を出て行った。

じーさんは呼び出したというのにバーの常連客とカラオケを歌いだして俺を放置。 どこまでも身勝手なじーさんだ。

今更のえると会いたくなんかなかったし、話す事もなかったのに。
仕方がなくバーカウンターに座り、のえると話をする羽目になる。

「定一さんから聞いた、利久結婚したんだって?」

「…まあな」

きっとのえるも雪乃の事は知っているだろう。だからこそあえて彼女について話なんてしたくなかったんだ。

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