【完】セカンドマリッジライフ
「しかも別にお互いに好きじゃなかったのに結婚したんでしょう?! やっぱりクールな利久でも北海道で一人でいるのは寂しかったんだ?!」
だからー…じーさん絶対余計な事を言っただろう。
「別にそういうんじゃない。 今の奥さんとは仲良くやっている…」
じとりとこちらを見つめた後、のえるは俺の左手を強く掴み掲げた。
「何これ?!結婚指輪?!」
「うるさいな、触るな」
握られた手をパッと離し、のえるに見えないように左手を後ろに隠すと彼女は不服そうな顔をする。
相変わらずだ。全然変わらない。自己中で自分勝手で…言いたい事はハッキリと言う。 そんな強気な所も可愛いと感じていたのに
つまらなそうにグラスに口をつけた彼女は、わざとらしく唇を尖らせる。
「私と結婚してた時は芸能記者の事気にしてろくに一緒にも居てくれなかったし、指輪さえするのも嫌がってたくせに」
「騒がれるのを嫌がっていたのはのえるの方だろう。」