【完】セカンドマリッジライフ
紫色に染まった空からは、大きな雪の粒がはらりと舞っていた。 …綺麗。 純白に世界を染め上げていって、どこが境界線か見当もつかない。
北海道はでっかいどう。 そんなジョークの一つでも言いたくなる気持ちが分かる程、広大な大地だ。
「でも…寒…。ってぇ、バス1時間に1本?!うっそでしょ~?!」
バス停で時刻を確認するとバスは出て行ってしまったばかりらしい。 目の前に広がる駐車場には車がひしめき合っていた。
北海道の、しかも田舎になればなるほど車は必須らしい。 それにしても寒い。自分なりに覚悟をして身なりには気を使ったつもりだったが、マイナス15度の世界の冷たい風は容赦なく肌に突き刺さる。
タクシー乗り場には数台の車しか止まっていなかった。それだけ利用する人が少ないという事だろう。
寒さに耐えきれなくなりタクシーに乗り込んで、携帯の中に入っている地図を運転手に見せる。