【完】セカンドマリッジライフ
「……俺の方こそごめん。すっごい無神経だったと思う。
東京に帰った時にじーさんと会うために待ち合わせしたんだ。そこにのえるも居て…。まさか北海道に本気で来るなんて思わなかった。
でも誤解しないでくれ…。俺は今はもうのえるには気持ちは一切ない。 雪乃と一緒に居る毎日が幸せすぎて、君を失うのが怖かった。
東京でモデルをしていた事は知っていた。 …知っていたからこそ…そんな華やかな世界に居た君はこんな田舎じゃ物足りないんじゃないかって
いつかフラッと君が居なくなってしまう事を思い、怖かった…」
「居なくなんかならないよ。 だって私の居場所は利久さんが居て武蔵やイチ達がいるここだもん…。
私、こんなに幸せだと思える時間を過ごせるの初めてなの。 利久さんが大好きだから利久さんと家族になれてこんなに幸せだから。
だからあんなヤキモチ妬いてしまって本当にごめんなさい……嫌いに…ならないで…」
俺の胸の中で雪乃は小さな子供のように泣きじゃくった。 いつだって笑ってばかりいなくたっていいんだ。 そうやって思っている事を口にしてたまには我儘だって言って欲しい。
嫌いになるわけない。
雪乃の頬をゆっくりと流れ落ちる涙を指で拭って、彼女の唇にゆっくりとキスを落とす。