【完】セカンドマリッジライフ
「嫌いになるわけないじゃないか…。 俺の方こそ君と出会えて毎日が幸せなんだ。
今更君が居ない生活になんか戻れない…。
辛い時は無理して笑わなくっていい。悲しい時は泣いて、嬉しい時は笑って
そんな当たり前の毎日さえも雪乃がいてくれるからこそ幸せだって思えたんだ。 君の笑顔が日常にある事に俺は救われたんだ」
のえると恋をして結婚をした20代前半。 最後の恋になると誓った。 しかしそんな俺の夢は粉々に砕け散った。
もう生涯誰かと寄り添い合う事はないと思っていた。 妻なんていらないと思っていた。 動物たちと自分の病院があればそれで満足だと、心の底から思った。
しかし雪乃に出会ってしまった。 もう一度誰かと家族になりたいと本気で思った。 夢なんて何一つ持てなかった未来は、君と出会った事で温かいものになっていった。
久しぶりに抱きしめ合って眠る夜はこんなにも幸せで満ち足りている。 動物だって人間だって同じだ。
限りある命だからこそいつ失っても後悔をしないように大切に抱きしめるんだ。
当たり前なんて、ない。 だからこそこんなにも人を愛しく思えるのか。 その笑顔を曇らせる日が来ることのないよう、君を抱きしめたい。