【完】セカンドマリッジライフ

「沢口さんは自立したかっこいい女性がコンセプトって言いましたよね?」

「ええ!まさに雪乃さんにぴったりでしょう!」

「それならば…私はこのジュエリーブランドに相応しい人間ではありません」

沢口さんと琥太郎の目を見てはっきりと伝えた。 一瞬琥太郎の笑顔が曇って、口を開きかけた。 

付き合っていた頃彼が私を説得したり元気づける為に色々な言葉をかけてくれたのは知っている。

浮気や酷い事はされたけれど、あの頃支えてもらったのは嘘じゃない。 でももうはっきりと言いたいんだ。

「私は全然自立もしていないし、かっこいい女性なんかじゃない…。
今だってそう。 私、利久さんに寄り添って…甘えて生きて行きたい…」

隣に居た利久さんの腕をぎゅっと握ると、彼は眼を丸くして私を見下ろした。
そして空いている片方の手を私の手へと重ねた。

「でも…雪乃…」

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