【完】セカンドマリッジライフ
「んもぉーッお父様ったらあ~!!!照れちゃう! 今すぐお茶淹れます~
東京のお土産もありがとうございますね~
スイーツ大好きだから嬉しい~キャハハ~!」
十一月。 初雪が降ったのと同時に東京から両親がはるばるやって来た。 今まで一度だって北海道へやって来た事がないから驚いた。
まさか夫婦仲良く旅行がてら俺に会いに来るなんて。
何でも裏で雪乃とやり取りをしていたらしい。 母に葉書を送ったり、ウェディングフォトのアルバムまで影で送っていたらしい。
そして雪乃の妊娠が発覚してはるばる会いにきたらしい。 …全く雪乃には敵わない。 俺と両親の間にあった溝さえもこうやって埋めていってくれるのだから。
この確執は一生解けるものではないとばかり思っていたんだ。
「雪乃、お茶なら俺が淹れる。 雪乃はゆっくりとしていてくれ…」
「えーーー大丈夫だしーー」
「うろちょろ動くな。君が動くたびにお腹の子に何かあるんじゃないかって心配なんだよ。君は特に落ち着きもないし」
「もぉー、利久さんってば過保護~。妊娠は病気じゃないって何度も言ってるのに~
ねぇ~お母さま、変ですよね~」