【完】セカンドマリッジライフ

「………確かに変ね。あの利久が…
子供が出来るとこうまで人って変わるってものなのね。」

母が訝し気な表情で俺を見つめる。 うるさい。 雪乃が動くたび、大きな笑い声を上げる度に赤ん坊が驚いてしまわないかとこちらは不安なのだ。

まあ、笑っているに越した事はない。 妊娠にストレスは大敵だと病院の先生から言われた。
だからいつだってアホみたいに笑っていてくれた方がこちらとしても安心なのだが………

優しかった顔がもっと優しくなった。 雪乃が笑っていると癒されるし、可愛い。

知らず知らずに顔がニヤケていって、いつの間にか隣にやって来た母がじとりと眉をしかめながら俺の顔を覗きこんだ。

「ッ!なんだよ!いきなり隣に立つな!」

「嫌だわ~…一人でニヤニヤしちゃって、変な子…。
昔から変わっている子だとは思ったけれど、こんなド田舎に引っ越して動物病院まで建てちゃって
いつの間にか二度目の結婚をして、子供まで出来ちゃうなんて」

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