【完】セカンドマリッジライフ
「えー?!そんなのあるのー?食べてみたい…!羊の肉ってしっかり火を通さなきゃいけないイメージしかないよ」
「鮮度が違う。 …なんだ?そんなに食べてみたいのならば明日行こうか?
まあ、君が行きたいと言うならば俺は行ってもいいが…明日は日曜日だし。
君はこの辺りしか知らないだろうし、お昼は駅まで出てみるのも良い。 別に君が行きたいのならばの話ならば…」
「行きたい…!」
食い気味に’行きたい’と言ったら利久さんは予想以上にびっくりした顔をしていた。
まさか利久さんの方からそんな誘いがあるとは………。
それってちょっとデートみたいじゃん。
北海道に来てひと月が過ぎて、どこに行くのにも車が必要なのは十分に理解した。
雪深い街だからチャリにはまだ乗れないし、札幌のような都会とは違い地下鉄も通っていない。バスも1時間に1本だったりする。
利久さんは必要な物があれば近所の小さなショッピングモールまで車を出してくれた。 そして何気ないそんな時間も楽しかったものだ。
「すっっっごい楽しみ…!デートですね!」
「…デートじゃない…。」