【完】セカンドマリッジライフ
「えぇ?!こういうのデートっていうんですよ?
利久さんってば頭は良いのに世間知らずですよね?きゃはははは~」
「こういう話は世間知らず云々の話ではない…!デートなんて…デートなんて…」
「くっうぷぷ。ヒィーッ。おっかしい、利久さんの反応。私達夫婦なんだからデートなんて全然不自然じゃないでしょう?」
「いや、夫婦といっても俺達は普通の夫婦とは違うだろう…。
デートなんて…そんな表現の仕方…」
私の言葉に真っ赤になって否定をするのは、33歳の大人の男性だ。
デートとブツブツ言っていてぶっきらぼうな言葉ばかり投げかけるのに、彼が照れている事はすぐに分かったのだ。
可愛い人。
年上の男性にそんな事を思うのは初めてだった。
ふたつきめ。 全くの赤の他人だったのにあっという間に夫婦になった。
名ばかりの夫婦という形。 それでも少しずつ利久さんを知っていく。 居心地の良い時間が流れる。
共に生活をして知る事がある。
けれどまだまだ未知数。
私はまだまだ利久さんの事を全然知らなかった。