【完】セカンドマリッジライフ
仕事も出来て気が利く。 家事はからっきし駄目なようだが何でも頑張り屋。
犬の武蔵も、猫のイチ達もすっかりと彼女には懐いていて、ご飯をあげるのは彼女の役目になっていた。
そして信じたくはない事実なのだが、彼女との生活の上で…彼女の笑い声が響く空間は…とても居心地が良い。
今日も診察の時間が終わり夕食を用意する。まだ少しだけ肌寒いが雪はすっかりと溶けて北海道の遅い春は近づいていた。
それでもまだ夜は冷えるのでこの季節は鍋料理が多くなる。 雪乃は実に大食いな女の子だった。
華奢で顔も手のひらしかなく手足も棒のようの細いのに、その体のどこに入っていくかは定かではない。 元々食べても太らない体質らしい。 …しかし痩せすぎだ。
院内に出る時は薄く化粧はしているが、家の中では基本的にすっぴん。
ぶかぶかの部屋着をいつも着ていて華やかな物を見に着けているわけでもないのに、何故かオーラのある女性だ。
それはどこに居ても何故か気になってしまう存在そのもので、この田舎町ではほんの少しだけ異質だ。