【完】セカンドマリッジライフ
「んふー、おいひーッ。 ねぇ、利久さん明日は午前中から行きましょう! 一日いっぱい晴れだそうですよッ」
大きな瞳をキラキラと輝かせて、実に豊かにコロコロと表情は変わる。 …そんなにいつも笑っていて疲れないか?この三ヵ月たまにそう訊きたくなる日があった。
だって毎日楽しい事ばかりじゃないだろう。生きているだけで神経をすり減らしているんだ。
すっかり人に心を許す事をしないまま33歳になってしまった男には、いつだって人に100パーセントの笑顔を見せる彼女が時たま不安になる。
「利久さん?」
「あ、ああ…。午前中から行こう。 きっと空気も美味しいよ。
近くにはうまいソフトクリーム屋さんもわんさかあるだろう。 って…まだ寒いか」
ソフトクリーム、と言ったら途端に彼女はその大きな目を輝かせ、笑みを漏らす。
「やっぱり北海道のソフトクリームは最高ですよね!なんていっても牛乳の鮮度が違いますもん。楽しみ~~」