【完】セカンドマリッジライフ

その’好き’が犬猫に言うような物で特別でない事なんかとっくに知っている。 けれど素直過ぎる感情表現をする彼女を前に、自分が照れている姿なんて見せたくなく無言で立ち上がった。

すると雪乃は後ろから追いかけて来て、突然ぎゅっと俺の手を掴んだ。 まだまだ肌寒い風が吹き抜けていく中、掴まれた指先だけが異常に熱かった。

「私北海道がやっぱり好き。三ヵ月住んでそれを実感したの! 色々な場所いっぱい行きたい!」

「そうか…それは良かった。 君は綺麗な街並みが好きなようだから、小樽や函館なんかも好きだと思うよ。
北海道では代表的な観光スポットだ」

「小樽?!函館?!ひゃーッひゃはは、海鮮が美味しそう…!海の街だものね!」

「北海道は余り海が綺麗な場所はない。
しかし君は食べ物の事ばかりだな。 食べ物以外でもお勧めの場所がある。
冬に行っても綺麗な街だが、これからは夏になるほど良い所だ。 今度…一緒に行こう」

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