【完】セカンドマリッジライフ
考えすぎて行動に移せないのは俺の悪い癖である。
「なあ、イチどう思う?」
「にゃあーん、にゃあーん」
猫たちは皆雪乃に懐いている。 特にイチは武蔵と共に雪乃にべったりなので
こうやって雪乃がお風呂に入っている間は切ない鳴き声を出して、それに飽きたら扉の間に座り込んでふぅっと小さなため息を吐く。
茶色の扉をジッと見つめていると突然乱暴にドアが開き、思わずその場にぺたりと尻もちをついてしまう。 雪乃は大きな目をぱちくりさせて大声で笑った。
「やだあー、利久さん覗き?きゃははは!」
「の、覗きなんかするわけないだろう…?! い、イチがずっと君を待っているから…そのなんだ…」
しどろもどろ言い訳をする俺の腕を掴み、ゆっくりと起き上がらせる。 床に寝ていたイチは起き上がって雪乃の足元に自分の顔をなすりつけた。
「ひゃはあーッ。冗談なのにマジになってる!超ウケる~。イチ~、私がお風呂から上がるまで待っていてくれたのー?
良い子ね~ッ」