【完】セカンドマリッジライフ
「すごい可愛い…!いいの?!私にくれるの?きゃはは、めっちゃ嬉しいんだけどッ」
「ああ……そんな大袈裟に喜ぶ物でもないだろう、そんなの安物だ」
つとめて冷静に振舞う。 こんなちっぽけな物を渡す事さえ中々出来ない憶病な男のくせに。
「値段とか関係ないし。 すっごく嬉しい。今日見た空の色と同じでとても綺麗。
今日はお土産ばかり買っててついつい自分の物を買うのを忘れちゃったから。 利久さん、ありがとう!」
「……別に。
つーかあんなに爆買いしてたのに全部お土産なのか?」
「うん。お母さんと私妹二人いるから。 北海道なんて中々来れないだろうから、後で宅急便で送るつもりだったのー」
そうか。 彼女には妹が二人もいるのか。 籍を入れたのにそんな事さえ知らなかった。
そう思った瞬間彼女の事をもっと知りたいと思っている自分が居るのに気が付いた。
一緒に生活をするだけではなく、段々と彼女の事を知りたくなっている自分がそこには居た。 …だから俺は自分の事を彼女に話したのかもしれない。