俺様幼馴染は素直になれない!


 私が目を覚めると、目の前に瑠翔の顔があった。

 目をパチパチさせて、顔が整った瑠翔の姿を起きないのをいいことに、見つめ続けていた。

「うーん」

 瑠翔は寝返りを打っていたので、私は肩を上げてからビクッとした。

 寝てる瑠翔に申し訳ないなぁと思い、私は寝ぼけている智子を起こして自分の自宅に戻った。

 智子はやっと目覚めて、洗面所で顔を洗ってから笑いながら帰っていた。

 まだ眠そうにしながらふらふらと危なかしかったが、とても楽しそうな顔で私に手を振っていた。

 私は着替えて、昨日あまり寝れなかったのでベットに横になった。

 寝返りをして、うーんと夢でも見ているのか。

 瑠翔が傍にいて、私の横にいて寝ている夢だった。

 とにかく寝ているんだけど…なんかリアルだな。

 と思って、目を開けると、窓から差し込む眩しい光が目に入ってきた。

「眩しい。うーん」

 私は声を発してドアのほうに向くと、瑠翔が隣にいた。

 うん?え?なんで瑠翔がいるの。

「瑠翔?」

「あ、起きた。おはよう」

「おはようって、なんでいるの。自分の家にいたんじゃないの」

「一樹はまだ俺の部屋で寝てる。結愛がいないの分かって、お前のお母さんに部屋行っていいって」

「え?お母さんが…」

 お母さん、なんで瑠翔を私の部屋に入れたのよ。

 いくら幼馴染でも、瑠翔は男性だよ。

「…起きよう」

 私は一人で呟いて、起き上がった。

「結愛。今日クリスマスだね。結愛と俺の家族でいつものクリスマスパーティーして、二人で部屋にいよう」

 瑠翔はまだ起きずに横になったまま、私を見て言う。

「うん」

 私は嬉しく、瑠翔を見て口角を上げた。

 多分、去年よりおととしよりも…瑠翔と過ごせるクリスマスが楽しみでしょうがない。

 早く、夜にならないかな。

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