俺様幼馴染は素直になれない!
愛してる
私たちのささいな喧嘩は智子と一樹先輩のおかげで仲直りした。
その日の翌日。
「智子、ありがとう」
私は学校に行って、まず智子にお礼を言った。
「いえいえ。でも、付き合ったあなた達が喧嘩できる日が来るとは思わなかったけどね。お互い仲良くするのかなって…まぁ、二人ともまともに話してもなかったよね、前は」
智子はいえいえと言ってから右手で左右に振って、私に声を発した。
「…そうだね。私もそんな日が来るとは思わなかったよ。しかもまさか瑠翔と付き合うとは夢にも…思わなかったしね」
私は今までの出来事を思い出すかのように声を出した。
そう、想っても見なかった。
まさか、瑠翔が小さい頃から私を好きだって言うことに…
昔から両片思いだったんだ。
「…まぁ、でもモテてるのは相変わらずだけどね。ほら…」
智子は外の窓際の方にいたので、外を指さして、私に教えてきた。
私も外を見ると、瑠翔がいた。
瑠翔の周りには、女子たちが複数人いた。
そりゃ、モテるに決まってる。
瑠翔は学年1のイケメンだし、勉強も部活も完璧で、女子にも優しいという外見も内面もイケメンと称されている。
女子に優しいのは、前からで外面だけはいいが、私にだけは俺様キャラだった。
だけど、今はどうなんだろう。
前より優しくなって…俺様キャラじゃなくなってきた。
瑠翔は私と付き合うようになって…変わったのかな。
周りにいる女子と変わらないんじゃないか。
「…そうだね…。私、瑠翔の彼女なんだよね」
私は外を見つめながら、切なそうな顔で瑠翔を見つめる。
「…だけど、瑠翔先輩。変わったよね。女子の扱いも前より普通になった感じするよね。結愛はどう思う?」
智子は頬杖をついて、私を笑顔で見て言ってきた。
「…私、瑠翔の彼女になれたけど……周りにいる女子と変わりない気がするような。少し不安になって…」
私は智子に不安を吐露した。
「…大丈夫じゃないかな。瑠翔先輩は意外に一途だと思うよ」
智子は私の様子を窺うように見て、答える。
「…そうだといいけど…」
私は下を向いて、返事をする。