俺様幼馴染は素直になれない!

「…相波さんってやっぱり面白いね」

上杉くんはズボンのポケットに両手を入れて、コンクリート付近にあった一つだけお花が咲いてる方向を見てから私に向かって笑っていた。

「え?なんで」

私は目を丸くして、首を傾げた。

「印象的に、あんまり話さないのかなって。
同じクラスの智子ちゃんしか話してるの見たことなかったからさ。笑ってはいるけど、頷いたり話し合わせたりするくらいに見えたから。でも、違ったね。本当に面白い!」

上杉くんは目を輝かせて、私の内面までを見据えるように見てくる。

面白いとか、初めて言われた。
いつも言われるのは、もっと自分の意見を言いなさいくらいだ。

伝えたいのに伝えられないのが自分自身でも苦しいのに、他人から言われるともっと苦しくなる。

だから、面白いって言われたのはすごく嬉しかった。
 
「あ、ありがとう」

私は思わずお礼を言った。

ただ面白いって言われただけだけど。

「いいえ!そうだ、明日もここで話さない?」

上杉くんは私に提案してきた。

私はそれに笑顔で答えた。
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