俺様幼馴染は素直になれない!
男友達は一人もいなかったし、瑠翔以外の男子と話すのは初めてで、緊張するけど、なんか上杉くんだからか親近感が湧く。
私たちは話し合いながら、自分の教室へ戻った。
戻る時も、あのクマさんのキャラクターの話題で絶えなかった。
上杉くんも楽しそうに私と話していた。
今まで上杉くんとは話したことがなかったのが驚くくらい不思議だった。
同じクラスなのに、知らない一面がある。
話してみないと分からないものだ。
教室へ戻って、私たちは手を振って別々のグループに行き、自分の椅子に座り、持参してきた弁当をカバンから出した。
「結愛。おかえり。どうだった?」
智子は頬杖をついて、携帯を弄っていた。
机にはお弁当が置いてあり、まだ開けてなかった。
私のこと待ってくれたんだと思う。
「ゴメン。待ったよね?うーん、友達になったかな」
私は智子に目線を変えて、お弁当を広げて言う。
「それは大丈夫だけど…どういうこと?」
智子はなんで接点のない上杉くんと仲良くなったのか智子は不思議に思ったのだ。
そりゃ、そうだ。
話したこともない上杉くんと一体どういう形で友達になったのか気になるだろう。
「…このクマ。私、好きなんだけど、これ上杉くんも好きなんだって」
私は弁当を左側に寄せて、カバンを机に置いて、クマのキーホルダーを智子に見せる。