俺様幼馴染は素直になれない!
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結愛が職員室に行った後、私は弁当を食べてから、机の中に入っていた教科書類を整理していた。
その時、上杉くんが声をかけてきた。
「智子ちゃん」
「上杉くん」
私は教科書類を整理していて下を向いていたので、上を見上げると、上杉くんがいた。
「さっきまで。上杉くんの話してたんだよ。あのクマ好きなんだって」
私は頬杖をついて、上杉くんに突っかかるように言う。
「相波さん。話したんだ」
上杉くんは驚くことなく、ポツリと呟いた。
上杉くんがいるオタクグループの男子2人がこちらを見ていたが、私は気にせずに上杉くんを見た。
「……あ、あんまり言われたくなかった感じ?」
私はチラッとオタクグループを見てから彼を察して、上杉くんに聞く。
「そんなことない。相波さん達は信頼できるから言ったんだ」
うんうんと首で頷いて、まん丸の黒目を見開いて上杉くんは私に言っていた。
「…そう。じゃあなんで今頃になって結愛に話しかけたの?同じクラスだから話しかけられたでしょ」
私は一番気掛かりなことを聞いた。
だって、今は6月で同じクラスになって、3ヶ月ほどだ。
上杉くんなら、人気者からオタクグループまで人当たりがよく話しかけている。
だけど、オタクなグループにいて、クラスの立場的に中間くらいなのだ。
そんな人が今まで、話さなかったのか。
話すタイミングがなかったのかもしれないが
何かがあるのではないかと思った。
勘違いかもしれないが、なにかの違和感を感じていたのだ。
「…今だからだよ。僕は僕でタイミングを見計っていたからね。あ、智子ちゃん。数学の提出物出してよね。早めにね」
上杉くんはニッと口角を上げて、私に言い去っていた。