俺様幼馴染は素直になれない!
ライバルVS不器用俺様男子のバトル

次の日の朝、学校に行くと、掲示板前に人だかりが出来ていた。

私はカバンを右手で持ちながら、掲示板前に向かう。

それは、瑠翔と上杉くんのバトルだった。

昨日聞いていた話が、掲示板に書かれていた。

掲示板に貼られているチラシをよく見ると、
男二人がバトルを。何のための試合なのか、乞うご期待と書かれていた。

なぜ、あの二人がバトルを。

昨日も思ったが、なんでそんなことをする意味が分からない。

書いたのは広報部らしいが、バトルが始まることだけしか書かれていない。

なんのためのバトルか広報も分からないみたいだ。

「一体、どうなってんの」

私は一人で呟いて、教室へ向かう。

すると、そこには瑠翔のファン達は上杉くんの席で群れていた。

「どういうことよ、瑠翔とバトルなんて」

「なんであんたなんか」

口々に瑠翔のファンは上杉くんに言い放つ。

上杉くんは座って、下に俯いてから顔を上げた。

「僕は瑠翔先輩と対決したいからです。あなた達にとにかく言われる必要ないです」

上杉くんははっきりと口にして、瑠翔のファン達に強気で言う。

「…あんたおとなしいと思えば…」

瑠翔のファン一人は手を上にあげて、上杉くんを叩こうとした。

すると、ファン一人が手を挙げて叩こうとした瞬間、誰かがおさえた。

「お前が口に出すことじゃないから。俺は俺で解決するから」

それは、瑠翔だった。

瑠翔は睨むかのようにファン一人を見て、苛立つような口調で声を出した。

「…っ、行くよ」

 ファン一人は舌うちをして、去っていた。

 ファン達にはいつも優しい瑠翔が怒っていることに私は目を丸くしていた。

いつも優しい瑠翔が怒ったのを見て、ギャラリーは呆然と見つめて驚いていた。
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