俺様幼馴染は素直になれない!
「瑠翔先輩」
上杉くんは瑠翔に声をかけた。
「おい、お前って。腕相撲強いんだってな」
瑠翔は上杉くんを無視して、ズボンのポケットに手を突っ込んで、話しかけてきた。
「そうですけど」
上杉くんは、ファン共に言われたことなど気にせずに言ってきた。
「じゃあ、今日は腕相撲大会で。
ってか、何で掲示板に情報漏れてんの?」
瑠翔は自分の頭をかいて、上杉くんに聞いた。
「あの時、僕ら話してる時、たまたま聞いたらしいです」
上杉くんはファンの子達がさっきほど言っていたのだろうか。
平然とした顔で瑠翔に答えた。
「ふーん、そうか」
瑠翔は興味なさそうに返事をして、上杉くんを見ていた。
上杉くんはただ瑠翔を見ていた。
「上杉。じゃあ、今日の放課後。15時から」
瑠翔は上杉くんにそう言って、去っていた。
教室から去る瑠翔を見て、女子クラスメイト達が騒いでいた。
私は教室のドア付近にいたので、瑠翔とすれ違いざま、私を見て鼻で笑っていた。
な、なんなの!
私は顔をしかめながら、自分の席に座り鞄を机に置いた。