俺様幼馴染は素直になれない!
すると、上杉くんが話しかけてきた。
「おはよう。相波さん」
「おはよう。さっき大丈夫だった?」
私は机にカバンを置いて、カバンの中身を机の中に入れて、上杉くんに言う。
「あー、うん。大丈夫」
上杉くんは私から目を逸らして、返事をしていた。
昨日瑠翔と二人で話し合うの見ていたなんて思ってないだろう。
「…な、なんかあったの?」
私は上杉くんの顔を見ずに聞いた。
「…いや、なんでもないよ。あ、1限目の現代文やった?僕、分からないところあったんだよね?できた?」
上杉くんはいつもの安定な笑顔で私に言い放つが、話を逸らしていた。
余程、バトルについてあまり聞かれたくなかったらしい。
だが、私はうまく上杉くんとは話そうとするけど、話せなかった。
昨日の好意ある発言と初めて手を繋いでことで、私は上杉くんとどう接したらいいか分からないでいた。
「……うん、やったよ。これじゃないかな」
私は下を向いて、机の中から現代文の教科書とノートを出した。
「うわ、字綺麗だね。なるほどね、……さっきから気になっていたんだけど、今日どうしたの?」
上杉くんは私が今日おかしいのを気づいて聞いてきた。
「……いや、なんでもないよ…」
私は目を逸らして、返事をした。
言えるはずがない。
昨日のことを気にしていることに。
「…もしかして、昨日のことで意識してくれてる?」
上杉くんは私の顔を伺って、うん?と聞いてきた。
「……いや……」
私は返事に戸惑った。
本当にその通りなので、なんと返事すればいいか分からなかった。
ってか、なんでわかったの?
「…このまま僕押して押すから。…もっと相波さんにはドキドキしてみせるから」
上杉くんは笑顔で微笑んで、私の手を握って真っ直ぐに伝えてきた。
真っ直ぐ見つめてくる上杉くんに目が離せず、目を見開いたまま私は上杉くんを見つめ、黙っていた。
「…あ、そうだ。今日の放課後楽しみにしててね」
クスッと笑みを浮かべてから、上杉くんは右手を振って、自分の席に戻った。
私は頭を抱えて、自分の胸の音が鳴り響いているのがわかった。
顔を赤くなっていたので、机に顔を置いて、考えていた。
私は上杉くんがなんで放課後、バトルをするようになったのかわからなかった。
私の知らないところで何かが始まっていた。
上杉くんと話している間、瑠翔は嫉妬していた。