俺様幼馴染は素直になれない!
バトルが行われている教室へ着くと、人だかりが出来ていた。
瑠翔のファン達だろう。うちわを持ちながら、応援する気満々だ。
周りを見渡していると、司会をする人が大きい声で叫び始めた。
「皆さん、お待たせしました。これから、二人のバトル始めていきます。じゃあ、まずは上杉くんから」
司会の人はテンション高く紹介し、上杉くんに話を振った。
「……腕相撲には自信があるので、瑠翔先輩には何がなんでも負けません!」
上杉くんはニヤッと笑いながら、固く誓った。
「おー、力強い宣言でしたね!一方で瑠翔は?」
司会の人はいいねと言われながら、瑠翔に聞く。
司会の人は瑠翔と同い年なのだろう。
タメ口で聞いていた。
「…別に。ただ勝つだけだよ。負けねぇよ」
瑠翔は右手の拳を握りしめて、誰となく言っていた。
なんでそんなバトルするの?
なんのために?
分からない、あの二人が対決する理由なんて。