俺様幼馴染は素直になれない!
「ではでは。各選手の意気込みを聞いたところで、始めていきましょう!では、おふたりとも準備はいいですか?」
司会者は楽しそうに回して、お二人に聞いてきた。
「はい」
「ああ」
二人は同時に返事をした後、机に肘をつけてお互い腕を出した。
「勝負は一回です。では行きます。よーい、ドン!」
そして、司会者の合図で始まった。
司会者の合図で、二人は腕相撲をした。
二人は強かった。
接戦でお互いに譲らず、どちらも勝ってもおかしくない状況だ。
私は二人が必死に戦っているのを見て、周りが声を出して応援している姿につられた。
そして、私は周りにつられたのか何か分からないけど、二人に大きい声を出していた。
「頑張れ!」
声を出すと、私は二人の方を見た。
私は後ろの方に行ったので、二人は同時に声をする方向を向いた。
すると、上杉くんは笑顔で見ていた。瑠翔は無表情で下を向いていた。
そして、上杉くんは瑠翔の一瞬を見逃さず、瑠翔が目を離した隙に、力強く右側に傾けた。
「…勝者は、上杉周くん!!」
司会者は上杉くんの左腕を掴んで、上にあげた。
「あ、ありがとうございます」
上杉くんは目を輝かせて、礼を言った。