俺様幼馴染は素直になれない!
「勝者の上杉くんは、勝ったら何したいですか?」
司会者はマイクがわりに筆箱を右手で持って、上杉くんに聞く。
「好きな人とデートしたいです」
上杉くんは笑顔でそう言うと、私の方を見ている気がした。
「いいですね!その方は今いますか?」
司会者は明るい声で言い放ち、上杉くんは目を司会者に向けて、声を発しようとした。
周りはヒューヒューと黄色い歓声を浴びていた。
「…内緒ですよ!」
上杉くんは口元を緩めて、鼻に人差し指をさして答えた。
「うう、教えてくれないんですね。では、仕方ないですね。勝者は上杉周くん、惜しくも負けてしまった瑠翔選手はどう思われますか?」
司会者は明るい声で瑠翔に問いかけると、瑠翔は無表情で、別になんともと言い放った。
それに、ファンどもは黄色い声をあげて、瑠翔と叫んでいた。
瑠翔は司会者を無視して、ズボンに手を突っ込んで帰っていた。
「えーと。瑠翔帰ってしまったので、これにて、バトルは終了!解散!」
司会者は、はい、終わりと周囲に大きい声で言って、瑠翔を呼んでいた。