俺様幼馴染は素直になれない!
バトルが終わると、周りの人達は、なんだ、瑠翔勝ってなかったのか、なんで上杉くんとバトルしていた真相を知りたがっている人もいた。
確かに。
なぜ上杉くんとバトルをしたのだろう。
瑠翔と上杉くんは接点はないはず、なんで。
私はバトルが終わると、立ちつくしていた。
その様子を見ていた、智子が話しかけてくる。
「結愛!?」
智子は心配そうに私の顔を伺いながら、私を呼んだ。
「…智子」
私は返事をすると、智子は真っ直ぐ前を向いて、声を発していた。
「あのバトル、何に賭けてたかわかった?」
「え?いや…」
私は首を傾げて、智子を見る。
「結愛だよ、結愛とどっちがデート出来るかだよ」
智子は頭に手を当てて、私に言う。
「……いやいや、瑠翔はそんなことしないよ。私のことなんてこれぽっちも興味ないから」
そう、瑠翔がそんなことするはずがない。
めんどくさいことがあると、すぐに投げ出してしまう所がある。
私は下を向いて、智子が言っていた言葉を頭の中で繰り返す。
そうだよ、瑠翔は自分に興味持ったことしか…興味…
「そう?瑠翔先輩のあんな真剣な姿初めてみた気がするけど、結愛はなにも思わなかったの?」
智子にそう言われると、私は考えた。
瑠翔はいつもつまらないようで、嘘くさい笑顔でファンの人達に対応している。