俺様幼馴染は素直になれない!
*
「瑠翔、どうしたんだよ。お前らしくない」
司会をしていたクラスメイトが聞いてきた。
そこまで仲良くないのに、俺らしさってお前に分かるのかよ。
司会をしたクラスメイトは、勝手に司会をすると言いだした。
俺は引き止めるのがめんどくさくなり、やりたいことをやらせて、なぜかお前らしくないと言われた。
俺だって、らしさなんて分からない。
「…別に」
俺は下を向いて、つまらなそうに返事をする。
「…なんだよ。少しくらいなんでバトルしたのか教えてくれてもいいじゃねぇの」
司会をしていたクラスメイトはからかうかのように、また俺に聞いてきた。
「……別に関係ない」
冷たい声で司会をしていたクラスメイトに声を発する。
「…そう。俺、やることあるから。さっき帰るわ、じゃあ」
その後も司会をしていたクラスメイトは色々俺に聞いたが、興味がないのかそっけなく返答して、帰っていた。
「瑠翔〜〜!」
俺の肩に両手を置いて、名を呼んでいた。
俺は後ろを振り返ると、一樹がいた。
「なんだよ、お前かよ」
また下を向き、答える。
「なに、その嫌そうな顔。落ち込んでいると思って、話しかけたのに」
一樹は頬を膨らませて、俺の後ろから首を回してきた。
「…別に落ち込んでる訳ないじゃん。あんな
奴のために…」
俺は下を向いて一樹に答えるが、あまり言葉が出てこなかった。
「落ち込んでない顔じゃないだろ。その顔」
一樹は下を向いている俺にそう言って、いつもより低い声で言い放つ。