俺様幼馴染は素直になれない!

「………」

3階の窓から上杉の隣に結愛がいることを確認して、俺は黙りこんだ。

「……いいのか?あれ」

一樹は頬杖をついて、聞いてきた。

「……なんか二人で用事とかだろ。ほっとけよ」

俺はそっぽを向いて、口からストローを外してズボンから携帯を出した。

携帯を取り出して、結愛の連絡先を指でスクロールして探した。

連絡先はあるけど、結愛とは連絡を取り合うことはない。

前に連絡先を交換してから、一回もしてないからだ。

近くにいて、連絡したことがない。

「あれ?他の棟に入った。あそこって誰も入らないし、用事なんてないよね。ねぇ、瑠翔」

一樹は3階からの窓を見つめては俺を見てきた。

結愛は、ただ用事があるだけだ。

だけど、用事ないのに他の棟に行くか?

「……クソ!」

俺は携帯を持ったまま舌打ちをしてから立ち上がり、早足で結愛に向かった。

「やっぱり、ほっとけないんじゃん」

俺が行ったあとに、一人で呟いたらしい。

「瑠翔先輩いますか?」

その後、結愛の友達・智子がやってきたのだ。
< 57 / 118 >

この作品をシェア

pagetop