俺様幼馴染は素直になれない!
「………」
3階の窓から上杉の隣に結愛がいることを確認して、俺は黙りこんだ。
「……いいのか?あれ」
一樹は頬杖をついて、聞いてきた。
「……なんか二人で用事とかだろ。ほっとけよ」
俺はそっぽを向いて、口からストローを外してズボンから携帯を出した。
携帯を取り出して、結愛の連絡先を指でスクロールして探した。
連絡先はあるけど、結愛とは連絡を取り合うことはない。
前に連絡先を交換してから、一回もしてないからだ。
近くにいて、連絡したことがない。
「あれ?他の棟に入った。あそこって誰も入らないし、用事なんてないよね。ねぇ、瑠翔」
一樹は3階からの窓を見つめては俺を見てきた。
結愛は、ただ用事があるだけだ。
だけど、用事ないのに他の棟に行くか?
「……クソ!」
俺は携帯を持ったまま舌打ちをしてから立ち上がり、早足で結愛に向かった。
「やっぱり、ほっとけないんじゃん」
俺が行ったあとに、一人で呟いたらしい。
「瑠翔先輩いますか?」
その後、結愛の友達・智子がやってきたのだ。