俺様幼馴染は素直になれない!
「考えてる?ほんと?だったら、なんでもっと優しくできないんですか?結愛は瑠翔先輩にひどいこと言われてますよね」
智子ちゃんは鋭い目で、僕を見て怪訝しているようだった。
「…あれは、あいつの愛情表現だから。許してあげて」
一樹はねぇ?許してと両手を合わせて、声を発した。
「…許す?そもそもあいつのせいなんだからね。あんな風に」
智子ちゃんは悲しそうな目で僕に言い、経緯を話してくれた。
智子ちゃん曰く、小学生の頃から瑠翔はいきなり俺様男子になったらしく。それから、結愛ちゃんへの態度は悪くなっていた。
結愛ちゃんは、中学生の頃には自信をなくしたらしい。瑠翔とは隣に住んでいるから、少し会うくらいだった。
高校生になったら、私と出会って、景色が違って見えたって。
「智子ちゃんが言っていることは一理ある。
瑠翔は、不器用なだけ。ひどいこと言ってるけど、本心じゃないから」
一樹は少し微笑んで、智子ちゃんに言う。