俺様幼馴染は素直になれない!
*
「………」
俺は結愛が行った別の棟まで早足で向かった。
そして、別の棟に着くと、結愛と上杉二人が人目つかないところで何かを話していた。
俺は壁際によりかかり、自分の右手の拳を強く握りしめて、下を向いた。
俺は結愛になにした?
上杉みたいに優しく接したことがあるか?
ない。小さい頃だけだ。優しくしたのは。
こんな俺じゃ、好きになってもらえないに決まってる。
俺が女だったら、上杉と付き合いたいと思う。
上杉と結愛の二人が話し込んだ後、自分たちの教室へ向かっていた。
俺は、結愛に言わなくちゃいけないのに…
何してんだよ、俺。
人のことはあれこれ言うくせに、自分は何もしてない。
俺は自分に自信がなくなっていた。