俺様幼馴染は素直になれない!



「………」

俺は結愛が行った別の棟まで早足で向かった。

そして、別の棟に着くと、結愛と上杉二人が人目つかないところで何かを話していた。

俺は壁際によりかかり、自分の右手の拳を強く握りしめて、下を向いた。

俺は結愛になにした?

上杉みたいに優しく接したことがあるか?

ない。小さい頃だけだ。優しくしたのは。

こんな俺じゃ、好きになってもらえないに決まってる。

俺が女だったら、上杉と付き合いたいと思う。

上杉と結愛の二人が話し込んだ後、自分たちの教室へ向かっていた。

俺は、結愛に言わなくちゃいけないのに…

何してんだよ、俺。

人のことはあれこれ言うくせに、自分は何もしてない。

俺は自分に自信がなくなっていた。
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