俺様幼馴染は素直になれない!




学校が終わり、夜になっていた。

プルプル プルプル

「…はい」

僕が電話をすると、智子ちゃんは返事をした。

「夜遅くにゴメンね」

僕は夜9時、智子ちゃんに電話をかけた。

「いえ、んで、用件話してくれませんか?」

智子ちゃんはすぐに瑠翔の話を聞きたがった。

そりゃ、そうだ。結愛ちゃんのことになると、智子ちゃんは至って真剣になる。

友達のことでこんな真剣に向き合うなんて、そうそういない。

「…いいよ、話すよ。じゃあ、いい?」

僕は智子ちゃんの様子を窺いながら、言う。

「…はい」

智子ちゃんは、感情なくただ返事をした。

「瑠翔と結愛ちゃんは幼馴染でしょ。瑠翔は小さい頃から結愛ちゃんのこと好きなんだ」

僕は椅子に座っていたが、外の景色を眺めたくて立ち上がった。

「え?ずっと好きなの。あんな態度なのに?」

智子ちゃんは驚いた様子で、僕の電話越しでも伝わってきた。

「あんな態度してるのは本人だって嫌だと思ってるけどやってしまうんだよ。好きだからさ。僕に言ってくるんだからね、結愛好きだよとか。嘘じゃないよ」

僕は星が綺麗に光輝いているのを見ながら瑠翔の言動を思い出し、クスクスと笑って、智子ちゃんに言う。

「ほんとに!瑠翔先輩と思えない。……だけど、ほんとなんだよね」

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