俺様幼馴染は素直になれない!

智子ちゃんはなぜか僕の笑い声を聞いたからか、本当のことだと信じたようだ。

「ほんとだよ。呆れたもんだよ」

僕は星を見た後ベッドに腰をかけて、智子ちゃんの声を聴いて、返事をした。

「そういえば、明日上杉くんとデートらしいよ。結愛、緊張してた。このこと、瑠翔先輩知ってるんですか」

智子ちゃんはそういえばと前置きをして、僕に明るい声で言ってきた。

「…そうなんだ。知らないと思うけど…瑠翔…」

僕は複雑だった。

瑠翔に知らせたい気持ちは確かにあるけど、上杉くんとのデートを聞いた途端、デートを邪魔するに決まっている。

結愛ちゃんは困り果てる姿しか想像つかない。

「言いたいけど、結愛はどうしたいのか分からないから。私たちじゃどうしようもない」

智子ちゃんは僕の気持ちを読み取るかのように僕の想いを代弁してくれた。

「そうだね。瑠翔に連絡してみるよ」

僕はそう言って、智子ちゃんと電話を切った。

上杉くんと結愛ちゃんのデートにより、瑠翔は思わぬ行動に出るなんて。

 瑠翔がこんなに想っているのに、伝えられないもどかしさを解消するとは…

 今の僕は信じられなかった。

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