俺様幼馴染は素直になれない!
「ああ。そう。問題が生じているよ。この通りにね」
俺は自分のざまを一樹に言い放ち、切なそうにした。
一樹は俺の顔を眺めた後、部屋中に携帯のバイブ音が聞こえた。
それは、一樹の携帯からだった。
一樹は、誰からか連絡がきたのだろう。
携帯を見ていて、どうしたのかと聞く前に一樹は声を発した。
「…瑠翔。結愛ちゃん、好きなんだよな」
携帯を手に持ち、画面越しに何が書かれているか分からないが、画面を見て、俺に言ってきた。
「そうだよ。好きだよ」
俺はまっすぐ目を見つめて、一樹に言う。
「智子ちゃんから連絡が来て、上杉くん、結愛ちゃんに告白したって…」
一樹は少し間を置いてから、俺に結愛のことを伝えてきた。
結愛がなんだって、
え?上杉が結愛に告白した?
「…え?告白」
俺は一樹に聞き返した。
「そうだよ。結愛ちゃんから智子ちゃんに連絡きたんだって。上杉くんと別れて、智子ちゃんに連絡したらしい」
一樹は携帯を何度も見て、偽りない目で見て俺に言ってきた。
嘘はつかない、一樹は……
「こく…はく…。結愛、絶対OKしたでしょ。うわっ、もう駄目だ」
俺は壁際の狭いスペースに行き、体育すわりをしてしょんぼりしていた。
一樹は俺の後ろ姿を見て、声を発した。
「いいの?結愛ちゃん誰かのものになっていいわけ?そんな想い何年も抱え込んだ奴が話しても間もないクラスメイトに取られていいのか」
俺の気持ちが分かっているのだ。
一樹は俺とは正反対だ。
何もかも性格も言動も違う。
だけど、その中で共通するものは…人間らしさ。何かが似ている。
言葉にするには難しいけど……