俺様幼馴染は素直になれない!
「…知ってたんだ。もう上杉くんとは別れたけど…。なんで瑠翔が気にするの。私が何したって関係ないでしょ」
結愛は俺から目を逸らして、俺にそう言ってきた。
何故か悲しそうにしている結愛は何を思っているのだろう。
俺が結愛に冷たい態度を取り続けているからか。
いやいや、俺様男子になったのは小学生くらいからでその前は優しくしていた。
……結愛はそんな俺をどう思って関わってきたのだろう。
結愛は俺のことはただの幼馴染にしか思っていない。
俺に結愛は反論してきた。
こんな姿は初めてみた。
いつもはただ返事をするだけだったのに…
俺は結愛がなにしたって関係なくない。
俺は結愛が好きだから。
それだけでダメなのか。
「……気にするに決まってる」
俺は結愛の左手首を掴んで、ベンチに座っていた俺の胸に抱き寄せた。
「な、なにしてるの」
いきなり俺に引き寄せられて、結愛は戸惑いを感じているのか、目を逸らして聞いてきた。
俺から結愛の顔を見えなかったが、結愛は困っているようで嬉しそうにもしているようにも感じた。
結愛は抱き寄せた俺に拒みもしなかったから。
「……好きだ。好きだ」
俺の胸に結愛を抱きしめて、俺の気持ちをぶつけた。
本当に好きなんだよ、好きだ。
好きなんだよ、結愛が。
「…え?瑠翔?」
真っ直ぐに俺は結愛に伝えている一方で、結愛は恥ずかしそうに顔を赤くした。
「好きなんだよ、お前が」
俺は伝えた。素直に。
今はストレートに結愛に伝える。
「だって…瑠翔は……私なんて興味ないでしょ。私、偽彼女だし」
素直に伝えたつもりが、結愛には心に響いていなかった。
今までの行いが今の結果になっているのか。
俺の想いをちゃんと言おう。
ちゃんと言わないと結愛が他の男に取られそうな気がした。
「興味あるよ。俺が好きなのは、結愛だから」
俺は真正面にいる結愛の目を見て、伝える。
それでも、結愛は疑っていた。
俺は真っ直ぐに結愛の凛とした大きめの黒目を見ているのに結愛は目を逸らした。
「噓よ。嘘。だったら、今までの俺様はなに。しかも、ニセ彼女まで頼んで。私がはっきりとしないからからかってんでしょ」
結愛は俺の本当の気持ちを伝えたのに、涙を流していた。
俺、本当な気持ちだよ。
結愛は俺の今までの行いを見てきた。
結愛にとって、俺は幼馴染で1つ上の先輩で家の近くに住んでいる。
それだけ……
今までの行いの結果が今になって表れているとは………
俺は頭を抱えていた。