俺様幼馴染は素直になれない!
「じゃあ、行くか?」
瑠翔は私に声をかけて、買い物を一緒に行こうと優しい声で言っていた。
私は返事をした。
瑠翔は外に出て、待ってくれるという。
急いで買い物に行くために、顔を洗ったり、着替えたり、瑠翔が待っているので準備は早めに行い、大体25分くらいで終わらせた。
それから、部屋から小さいカバンを持って駆け降りた。
「ゴメン」
「…大丈夫。着替えたんだ」
「…部屋着で外に出にいくのはあれだから」
「に、似合ってる」
「ありがとう」
瑠翔が言わなさそうな言葉を私に言い放ってきた。
私は目の前にいる瑠翔をチラリと見ると、真顔で前を向いていた。
私と瑠翔は、隣にいて歩き始めた。
瑠翔はいつもより緊張しているのか目を泳がせながら、私を見ていた。
それを見たからか私の方も緊張してきた。
終始、お互い黙っていた。
意を決して、買い物する場所を聞こうとすると、
「…あの…」
私は声を発した。
「え?なに」
瑠翔は、目を丸くして私に聞いてきた。
「か、買い物。ニンジンとか野菜系だから、近くにスーパー確かあったはず」
私はよく母に買い物を任されることが多いので、この近所のスーパーは知っている。
だから、スラスラと言葉が出てくる。
「…ああ」
瑠翔は返事をして、ただ前を見つめていた。