俺様幼馴染は素直になれない!


「ど、どこに行くの」

 私は瑠翔に聞くと、誇らしげな顔で見てきた。

「…ここだ」

瑠翔は、私の目の前に携帯を見せてきた。

それは、遊園地のホームページだった。
私が好きな遊園地……けど…

「…いいけど。瑠翔、遊園地嫌いじゃなかった?」

 私は瑠翔に聞いた。

 小さい頃から一緒だったから嫌いなこと・好きなことだって分かる。

 それなのに、苦手な瑠翔が遊園地に行きたいと言っている。

「…だ、大丈夫だ」

 瑠翔は、目を泳がせていた。
 明らかに、苦手だっていうのは分かる。

「…それでも行きたいの?」

私は瑠翔にまた追及すると、頷いていた。

「ああ、行きたい」

 瑠翔は苦手なのに、目を輝かせていた。
 私はその意気込みに不信感を抱いていた。

 それはそうだ。
 瑠翔はあることを考えていたからだ。



               *

「まだデートしたことないのか」

 一樹は俺の部屋に来て、苦笑いを浮かべて俺に言ってきた。

「…だって…結愛が可愛すぎて…触れたいのに触れたら俺どうすればいいか分からない。隣に住んでるし、デートなんてしなくても…」

 俺は不貞腐れ顔を膨らせて、一樹に小さい声で言い放つ。

「…上杉くんのことは忘れたのかよ。上杉くんは自分で結愛ちゃんにデート誘ってんだぞ」

 一樹は俺を見てため息をついて、携帯の画面を俺に見せた。

 それは、上杉くんのSNSだった。

 前に行ったであろう水族館の写真だった。

 だけど、その写真の陰には女性らしい人物が映っていた。

 コメントには、今好きな人。と一言だけ。

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