俺様幼馴染は素直になれない!
「あ、ありがとう」
私も目を細めて、微笑んだ。
「じゃあ、こっち行くぞ」
瑠翔も微笑んでから私の右手首を掴んで、走り出した。
走り出すと、まず向かったのはコーヒーカップだ。
グルグル回るコーヒーカップに並びながらも、瑠翔は目が泳いでいた。
ほんとは苦手なくせに…
私は心の中で思ったが、クスッと笑っていたのを瑠翔に見られた。
「な、なに笑ってんだよ」
瑠翔は私のことをなんだよと言いながら、話しかけてきた。
「……瑠翔。ありがとね…」
私はそんな姿を見て、また微笑んだ。
「な、別にたいしたことじゃないし」
ムッと口を尖らして、私に言い放った。
子供みたいに照れているようだった。
「お待たせしました。お二人様ですね。こちらです」
並んでいる時、私たちに順番が回ってきて、店員さんが話しかけてきた。
私たちは顔を見合わせてから、はいとお互い返事をしていた。
それから、コーヒーカップに乗ると、瑠翔はまだ回っていないのに頭を抱えていた。
それを私は見ていて、笑ってしまった。
私は大きく口を開けて、回っている間、常に笑っていた。
それを見た瑠翔はつまらなそうな表情で見ていたが、内心は楽しくしているように思えた。