俺様幼馴染は素直になれない!
コーヒーカップが終わると、瑠翔はヘトヘトしてもう歩ける状態ではないほど、酷かった。
「…ごめん、結愛。結局、こんな風になって…」
瑠翔はヘトヘトした様子で、近くにあったベンチに座り込んだ。
私は鞄の中にあったハンカチを取り出して、周りを見渡すとトイレがあったので立ち上がった。
瑠翔は結愛と呼ぶ声がしたが、何も言わずに私はトイレに行き、手洗い場の蛇口をひねり、水を出した。
ジャーと水が出る音がする中、ハンカチに水をつけて、早々と私は瑠翔の元へ駆け寄った。
戻ってきた私を見て、瑠翔は声を発した。
「どうしたんだよ、急にどこか行くなんて…」
瑠翔は心配そうに私を見つめてから、寂しそうにしていた。
「ごめん。これ濡らしてきたから。はい、瑠翔。あと、嫌なのに乗り物乗ってくれてありがとう」
私は少し微笑んでから、瑠翔に濡らしてきたハンカチを渡して礼を言った。
「あ、ありがとう。こちらこそ一緒に乗れて嬉しかった。…少し横なるわ」
瑠翔は私に礼を言ってからわざわざ濡らしてきたハンカチを大事そうに右拳を握って、額にあてた。
「あー、じゃあ私立ってるね」
私は立ち上がろうとした瞬間、瑠翔は私の肩をグイと押してそのまま座り込んだ。
「…瑠翔?」
瑠翔は私の左肩に寄りかかって、目を瞑っていた。
その様子を見て、瑠翔の名前を呼んで、彼の顔を見た。
「…ごめん」
私に謝ったあと、私の左肩に寄りかかりながらも、安心しきったかのように口角をあげていた。
遊園地苦手な瑠翔が私のために、我慢をしてまで私といようとしている姿に私は笑みが零れた。
遊園地を楽しむことも必要だけど、今は瑠翔と一緒に楽しむことをしたい。
「いいよ。私、楽しいから」
私は甘えてくる瑠翔の髪を右手で撫でた。
瑠翔は私の左肩に寄りかかっていたが、少し顔を上げて、私と至近距離になり、私はドライアイの目をパチパチさせた。