お前が好きだ。
玄関で立っていたお兄は不機嫌そうに部屋に上がった。
「たく、見せつけるよな?」
「お兄!明日帰るって…」
「あ?嘘に決まってんだろ??てか、鍵くらい閉めろ?」
固まった悠木のおでこにデコピンしたお兄はあたしを見下ろした。
「帰るよ。」
「いや!!お兄のところになんかに帰りたくない!」
あたしは、悠木に抱きついた。
「あっそ。……んじゃ、」
お兄はニヤついて
「俺も此処に住む!!」
「「はい?」」
お兄……バカでしょ?
もう!!一生帰って来なくて良かったのに!
「彰さん……冗談やめて下さいよ。。」
「冗談じゃないぜ?」
そう言って再び玄関に向かうお兄は、ドアを開けた。
外に山積みになっている荷物達…
「これが嘘だと思うか??」
自慢げに言うお兄に二人してため息をついた。
「お兄のアホ。」