お前が好きだ。




「は?」


「嫌いじゃないけど。襲われたくないから……」


やっと皮をむき終わったにんじんを俺に渡して俺を見上げた。


「嘘に決まってんじゃん。俺は、高校生を相手にする程不健康じゃないよ。」


ポン


と、彼女の頭の上に手を置いてにんじんをまな板に置いた。


「何それ…酷くない?」


酷いのはどっちだよ…


「酷くない。」


「最低!…ちょっとは本気って言ってくれても…」


俺は、包丁を出す手を止めて彼女を見上げた…


「んじゃぁ本気で襲うから早くしろ。」


そしてまた手を動かした。

「悠木って意味分かんない。」


「お前だってそうじゃん。」


そうなんだかんだ言い合いながら二人でシチューを作りあげた。




「美味しい!!」


葉花は声を上げてシチューをほうばった。


「んじゃ俺も。」


俺もシチューを一口食べた。


「美味いな。」


俺がそう言うと葉花は自慢げに


「さすがあたし!!」


「アホか!」




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