Lの色彩
◇
「高橋さん、お疲れ様です。」
「お疲れ様です。はじめまして…じゃないですよね。どういえばいいのか」
最終手段は社内メールだった。
名刺入れを拾ったこと、昨日は休んでいたので今日になったこと、都合がいい時に返したいことを書いて送ればお礼にコーヒーでもと彼女側から打診があったので結果オーライ、なのだろうか。
今日がノー残業デーで助かったと思いながら会社の近くのカフェで待ち合わせていた。
店の前で立っている満を見かけて声をかけるとにこりと人当たりのいい笑顔であいさつをされる。
先日のようなおとなしそうな格好だった。
まるで落とし物にかこつけたナンパみたいだと気分は重くなったが、とはいえ聞きたいこともあったし、なんだかんだ都合がよかった。
「これ、すみません、すぐ返せばよかったんですが」
「いえ、なくしたと思ってて。ありがとうございます」
ありがとう、と笑うと彼女はそれをバッグに大切そうにしまった。
「高橋さん、お疲れ様です。」
「お疲れ様です。はじめまして…じゃないですよね。どういえばいいのか」
最終手段は社内メールだった。
名刺入れを拾ったこと、昨日は休んでいたので今日になったこと、都合がいい時に返したいことを書いて送ればお礼にコーヒーでもと彼女側から打診があったので結果オーライ、なのだろうか。
今日がノー残業デーで助かったと思いながら会社の近くのカフェで待ち合わせていた。
店の前で立っている満を見かけて声をかけるとにこりと人当たりのいい笑顔であいさつをされる。
先日のようなおとなしそうな格好だった。
まるで落とし物にかこつけたナンパみたいだと気分は重くなったが、とはいえ聞きたいこともあったし、なんだかんだ都合がよかった。
「これ、すみません、すぐ返せばよかったんですが」
「いえ、なくしたと思ってて。ありがとうございます」
ありがとう、と笑うと彼女はそれをバッグに大切そうにしまった。