御曹司は初心なお見合い妻への欲情を抑えきれない


さっき東堂さんがしてくれたように自分の手で頭を撫でてみて、手の大きさの違いを知る。

そういえば、レストランで食事をした時に手を握られたけれど、あの時は告白されたことにびっくりして手の大きさにまで意識が回らなかった。

今度、直接合わせて比べてみたいと考えてから、ひとりで首をひねる。

比べてみたい……というよりは、触れたいというのが正しい気がする。
ただ手の大きさが知りたいわけじゃなくて、私はたぶん、東堂さんのことをもっと知りたいのだと思う。

東堂さんの中身も、東堂さんを形成するものもすべて。
だから、触れたいと思うのだろう。


――知りたい。
この気持ちは、恋の一歩目なのだろうか。


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